日々の仕事に忙殺され、気づいたら一日が終わっていた、一日の終わりのふとした時に、今日一日、何をして過ごしていたのか記憶がないといったことが日常茶飯事の現代社会。そんな中、会社や上司からは
「目の前の仕事だけじゃなく、今後のキャリアについて考えろ!」
と強く言われます。
また、ボーナスの査定にあたり、直近の半年を振り返り、個人や組織としてあげた成果や力を入れて取り組んだこと、自己アピールなどを自己申告として行っている会社も多いと思います。
ただ、
「今日一日何をしていたのかさえ思い出せないのに、半年分を振り返れなんて・・・」
という方も多いのではないでしょうか。
実は私も2年ほど前まではそんな状況に陥っていました。
自分は普段何をしているのだろう、最近大きな仕事に携わったかなと自問自答するのですが、時間をかけたところで大したことが思い出されません。
このままではただただ時間ばかりが過ぎてしまう、今後のキャリアなんて到底考えられないと思い、2019年2月、あることを始めました。タイトルにもある通りなのですが、手帳を使って時間管理を始めました。
?、手帳ってもともとそういうものだろ?と思われたかもしれませんが、私はちょっとユニークな使い方をしていると思っております。
ということで今回は、忙しい社会人の方ほど取り入れたい手帳を使ったタスク&時間管理法をご紹介したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
予定を書くのではなく・・・
この見出しを見て、再度、「は?」と思われたと思いますが、そうなんです、実は私は手帳に予定ではなく「結果」を書いているのです。もうこいついよいよ何言ってるのかわからんと思われたと思いますが、私は手帳に下のイメージのようなことを書いています。

私が使っている手帳は週間バーチカルの一般的な手帳で、記載内容も一見普通ですが、タスク、時間管理という観点から順を追って私の使い方のご紹介していければと思います。
(1)事前に向こう一週間で行う予定のタスクを書き出す
まず1つ目は、左側の箇条書き欄に事前に向こう一週間で行う予定のタスクを書き出すということです。
これは日曜の夜か月曜の始業前に行うとよいのですが、この一週間で何のタスクを行うのかを事前に整理しておくことで、一週間のペース配分を事前に決めることができます。
またこれをすることで、週の中頃(水曜日あたり)に事前に書き出したタスクの進捗確認を行い、
残り2日でできるのか、別のタスクが横入りしてきたため、どれかは来週に回さなければいけない
といったことなどを考えるきっかけとすることもできます。
(2)1日ごとに行ったタスクを書き出す
ここが一番ユニークな使い方だと思っているのですが、先ほどもお伝えしたように、この週間バーチカルの欄に予定ではなく「結果」を書いていきます。
私は30分ごとに何をしていたか書くようにしていますが、これを一日続けると、その日に何をして過ごしていたのかを把握できるようになります。
これでもう寝る前に、「今日何してたっけ?」とならずに済みますね。
(3)事前に書き出したタスクを実行できたら☑を入れる
これは特に難しいことではなく、(1)で事前に書き出したタスクを実行したら、その横のチェックボックスに☑を入れます。
週の終わりにすべてチェックが入っていることが望ましいのですが、いろいろな人と仕事をしている以上、なかなか自分の予定通りに一週間を過ごすことは難しいことが多いと思います。
実行できなかったタスクがあった場合には、
そもそも週初めの計画が厳しすぎたのか、優先度が高い仕事が横入りしてきたのか
など実行できなかった原因を分析し、翌週以降にスライドする、他の人に支援を依頼するなどします。
また、チェックが入らなかったタスクは翌週以降にも必ず登場しますので、タスクのやり忘れを防ぐこともできます。
(4)予定していなかったタスクを行ったら一行空けて記載する
これも特に難しいことではなく、予定プラスαのことを行ったら、箇条書き欄に(1)で書いた内容から一行空けて記載します。
週初めに予定していたタスク以外の仕事もしたと自分を褒めることもできますし、(3)の振り返りの際に、横入りが多かったから今週は予定通りいかなかったのだなと分析する際にも役立ちます。
この管理法を始めてよかった3つのこと
以上、私の手帳を使ったタスク&時間管理法をご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
2019年の2月にこの管理法を編み出して以来、1年半程度継続しているのですが、よかったことが3つございます。こちらも順を追ってご紹介できればと思います。
(1)日々の無駄な時間を見える化できた
上のイメージにもあえて空白の時間帯を作っているのですが、細かく記録しようと思っても、どうしても空白になってしまう時間帯があります。
同僚と雑談していた、トイレが混んでいて時間がかかった、会議にメンバーが揃わず待っていたなど、必要、不可避なこともあるのですが、そこに意識が介在していたかということを考えることが重要です。
よく忙しい人ほど時間が足りないということを口にするのですが、人間には24時間が平等に与えられています。みんな同じ条件の中でいかに効率よく仕事をするかが大事になってくるのですが、その際に意識がない時間がないかということを考えることが大切なのではないかと思っております。
例えば、意識的に時間を決めて休憩を入れることは大切だと思いますが、なんとなくスマホをいじっていたら30分くらい経っていたという状況は意識が介在しておりません。
こういった時間を少なくしていくことで、より生産的に効率的に仕事ができるのではないかと思っております。
(2)振り返りがしやすくなった
私ももともとこの管理法を編み出す前までは半年前のことはおろか、その日一日の仕事内容を思い出すことも大変でした(というか、思い出すこともありませんでした)。そのため、半年に一度のボーナスの査定の際に、半年間何に取り組んできたのかを振り返るのが大変でした。
この管理法を取り入れてからは、左側の箇条書き欄をぱらぱらとめくるだけで、おおよそ何をして過ごしてきたのかがわかるようになりました。そのため、以前より取り組み内容や成果について具体的に振り返ることができるようになりました。
(3)記録する習慣がついた
3つ目は記録する習慣がついたということです。
手帳に結果を記録することももちろんなのですが、それ以外にも新たな気づきや、大きな仕事を任されて大変だった時のことなどを別のノートに書くようになりました。
人間、喉元過ぎれば熱さを忘れるなどといいますが、やはり気づきや大変さというのはその時の気持ちが一番新鮮だと思います。事実とともに、その時の感情を合わせて記録することで、より当時のことを鮮明に振り返ることができるようになったと思っております。
★本日のまとめ★
というわけで、今回は手帳を使ったタスク&時間の管理法をご紹介してまいりました。
最初は?と思いながら読んでいただいていたと思いますが、最後には少しはなるほどと思っていただけた部分がありましたら幸いです。
実は後から知ったのですが、マネジメントで有名なあのピーター・ドラッカーもその著書の中で、
「成果をあげる者は(中略)時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする。」
(吉田麻子(2016)『小説でわかる名著『経営者の条件』 人生を変えるドラッカー 自分をマネジメントする究極の方法』ダイヤモンド社 P93より引用)
と言っていたのです。
成果については長くなるので後日別記事でお伝えできればと思いますが、私が社会人になってからずっと悩んでいたことでした。成果をあげるためにすべきことを自ら気づいて行っていたということを知った時は驚きました。
これからもこの手帳を使ったタスク&時間管理法を取り入れて、成果をあげられる人間になっていきたいと思います。
ちょうど私が使っている手帳の21年1月~のものが出ておりましたのでそちらと、原著ではありませんが、そのエッセンスは取り入れられるドラッカーの本をご紹介して終わろうと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。