会社で仕事をしていると、上司や先輩から、
「もう少し相手の立場に立って考えろよ」
と言われることがあります。この言葉を言われると、
これでも少しは考えたつもりなんだけど・・・
とか、
そんなのお前じゃないんだから、わかるわけないだろ!
と心の中でつぶやいて、その場を立ち去ることも多いことでしょう。
私も7月に転職してからというもの、この言葉を言われて怒られることがよくあります。
何度か怒られる中で、なぜ自分は何回も同じことを言われて怒られているのだろうと考えました。
そして、いろいろと考える中で、上司がこの言葉を言ってくる意味がわかったような気がしました。
ということで今回は、相手の立場に立って考えるということについて、私なりの考えをお伝えしていければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
相手の立場に立つことは不可能
相手の立場に立つなんてどうすればいいかわからないよ・・・
という方にまずご安心いただくためにお伝えしておきますと、相手の立場に立つことは不可能です。
エスパーのような超能力をお持ちの方はその限りではありませんが、普通の人間であれば不可能だと思います。
逆に、誰かに自分が考えいることを読まれているとしたら、ゾッとしませんか。
じゃあ結局相手の立場に立つことなんて出来ないじゃないか!
とクレームが来そうですが、これも先日の完璧主義と同様、頭にある言葉が隠れているように思います。
それは、「今のままでは」相手の立場に立って考えることはできないということです。
どういうことか、詳しくは次章でご説明いたします。
相手の立場に立つには、相手と同じ(似たような)経験をする
相手の立場に立って考えられるようになるためには、相手と同じ(似たような)経験をすることが必要なのではないかと思います。
例えば、資料の作成を上司や先輩から依頼を受けた時に、作成が終わったらその資料を見てもらいますよね。
自分ではいいものが出来たと思って持って行っても、赤ペンが入り、例の言葉を言われます。
赤ペンの箇所を直して、再度確認を依頼するのですが、資料はできてもどこかモヤモヤが残ります。
ここでポイントなのが、上司や先輩はその資料を使って何をしようとしていたのかということです。
例えば、作成を依頼された資料が、自分の上司や先輩がさらにその上の上司や先輩にシステムの概要を説明する資料だったとします。
この場合、システムの細かい仕様や要件などを記載してしまうと、例の言葉を言われるわけです。
ただ、自分が部下や後輩に資料の作成を依頼して、それを用いて自分の上司や先輩に報告や説明をするという経験をしたことがないと、なかなかどのような資料を作ればよいかがわからないと思います。
なので、「もう少し相手の立場に立って考えろよ」と言われても、自分は人の心を読めるエスパーじゃないんだ・・・と落ち込むのではなく、自分はそのような経験が足りないんだな、これからいろいろな経験を積んでいこうと思えばよいのです。
もちろん、それだけではなく、仕事の依頼を受けた段階で、その仕事の目的を考えたり、聞いたりしてから取り組むことも大事だと思います。
仕事の完成イメージを合わせることについては、こちらの記事でも触れておりますので、よければご覧ください。
自分も無意識にそう言っている(思っている)
逆のパターンを考えてみるとさらによくわかると思います。
例えば、何かトラブルが発生し、顧客に急ぎ第一報を入れなければならない状況があったとします。
部下や後輩に対して、いつどこでどのようなトラブルが発生しているのか簡潔に報告を求めているのに、やたら詳細な説明をされたら、今はそういう情報はいらないんだよな・・・と思うと思います。
この例からもわかる通り、その部下や後輩は自分と同じような経験をしたことがなかったために、どのような報告をすればよいのかわからなかったのだと思います。
その際、「もう少し相手の立場に立って考えろよ」と厳しく当たることも大事だと思いますが、一方で心の中では、これからいろいろな経験を積んで、いつか自分の気持ちがわかるようになってくれたらいいなと思ってあげてください。
★本日のまとめ★
ということで今回は、相手の立場に立って考えるということについて考えてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
同じようなことで何度も怒られる中で、ひとつ自分の中で考えた内容をお伝えさせていただきました。
相手の立場に立って考えるとは、相手の気持ちを想像してみることだ、と言っている方もいらっしゃいます。想像して当たればいいのですが、外した時のことを考えると、結構リスキーだと思います。
であれば、自分も相手と同じような経験をすることで、確実に相手の立場に立って考えられるようになる方が得策ではないかと思います。
幸か不幸か私は現職ではもちろん、前職でも部下や後輩を持ったことがほとんどがなく、そのために上司や先輩の立場に立って考えることが苦手なのかなと思います。
しかしこれは裏を返せば、これからいろいろな経験を積んでいけるということでもありますので、積極的にいろいろな仕事にチャレンジしていきたいと思っております。
もし似たような経験をされている方がいらっしゃいましたら、励みとなれば幸いです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。